ギターを片手に歌い続ける耀司さんからは、ファッションにしろ音楽にしろ、またそれが日本であれ世界であれ、それぞれの時とそれぞれの場所で自分をきっちり表現しながら年を重ねてきた男の人の歴史や思いみたいなものが垣間見えた気がした。素敵だった。一緒にライブに行ったうちの旦那様は「あんなふうに年をとるぞ!」と(無理を承知で)宣言していた。
 また、前日のトークイベントで「俺ギター弾かなきゃならないから、すごく緊張してるんだ」と気弱なことを言っていた慶一さんも、いつものように、もしかしたらいつも以上にかっこよかった。普段慶一さんの声で聴いている歌を、慶一さんのギターやコーラスで聴くっていうのもとても新鮮だった。
 それから、くじらさんのヴァイオリンはいつ聴いても胸にぐっとくるし、博文さんの天井に届きそうな高い帽子はとてもかわいかったし(演奏には関係ないけど)、かしぶちさんのドラムソロはまさに圧巻という感じだったし、星川さんのギターにはぞくっとしたし、Kimさんのかっこよさには思わず憧れてしまったし、伊藤さんのアコーディオンやトロンボーンにもほれぼれした。

 ステージ上の一人一人がそれぞれに眩しいほどの個性を放ちながらも、決して主張しすぎず、誰かが突出することもなく、絶妙に溶け合って耀司さんをひきたて、そして耀司さんまでも含めて見事に一つになっている、そういう空間と瞬間を共有できたということの幸せを今改めてひしひしと感じている。


 決して派手ではないし、華やかさもないかもしれないけれど、いぶし銀の魅力というか、かめばかむほど味がでるというか、静かな中にも熱いものがちゃんと伝わってくる、そんなライブだったと思う。

 耀司さん、SCUM RIDERSの皆さん、素晴らしい夜を本当にありがとう。


Reported by MIWA (MRWS), Photo by JUN (MRWS)
Thanks to Noda-san (OR)

当日演奏された曲目は以下のとおりです。


01  ツツジと犬と黄色いジャンパー
02  泥んことダイヤモンド
03  少し残った身体の重さ
04  濡れた闇
05  知ってるかぎりの時間を殺して
06  交差点の向こう
07  塀の上で
08  弾き語り
09  ガラスの時代〜見張り塔からずっと
10  やっぱり死んじゃった
11  お凸と少年
12  俺を探してくれるなら
13  スカンピン
14  ウラニウム万歳
15  豚がすべて
E1  DOWN BY THE RIVER
E2  君がいるから


では、恒例の

おまけ