ヨウジヤマモト&鈴木慶一トークショー
イベントレポート


5月8日(木) TOWER RECORDS 心斎橋 18:00〜




5:10
トークショー会場設置開始直後。タワーレコード心斎橋店1Fが少しざわつき始める。

5:20
ポスター、PA設置完了。買い物客が状況を把握するこのころには明らかに耀司氏目当ての観客がそろう。見分け方はもちろんモノトーンファッション。

5:21
店員がタイムテーブルを発表。いつものごとく出入り口に並ばされることを知る。雨なのに・・・。

5:30
司会者と思われる男性登場。買い物客にイベントをアピール。そろそろ1F入り口付近がいっぱいになる。

5:35
整理券を持っている人をおもてに並ばせ始める。私は007でした。

5:45
入場開始。最前列中央に陣取る。

5:50
再度司会者登場。耀司氏のCDのアピール。50枚も売れているそうだ。(いつからだろう?)

6:00
司会者登場。耀司氏、慶一氏呼び込み。入り口の上りエスカレータが下りに変わって二人が降りてくる。
二人の服装は耀司氏がニットのサマーセーターにジャケット、慶一氏はトレーナーにナイロンのジップアップ、ボトムはダークグレーのカーゴパンツ。頭には紺のニットキャップ、そして足元はブルーのスニーカー。カッコイイ!



トークショー開始。司会者が質問をし、それに答えるという形で進んでいく。


質問:耀司さんの音楽歴をお聞かせください。

耀司:10年ほど前に高橋幸宏とファッションショーの ための音楽を作ったのが始まり。(CD−ラ・パンセ) そこからショーのためにそうそうたるメンバーを集め て制作を繰り返し現在に至ってます。

質問:慶一さんとはいつ頃・・

耀司:ビートニクスとしてはそのころから。しばらく前にショーの曲も書いてもらってます。
慶一:最初は緊張して接していたが、だんだん慣れてきて、ほんとに音楽仲間としてつきあえようになっています。

質問:高橋幸宏さんとデュエットされている曲もありますが。

耀司:幸宏が「耀司さんのアルバムだったらぜひいっしょに歌いたい。」というので。でもいざ録ろうとしたら「スケジュールが取れない」って。無理矢理歌わせました。

質問:このアルバムを作るに至った経緯を。

耀司:個人的に音楽をやってて、途中で挫折したけど慶一に励まされたので。
慶一:「音楽すきなんでしょ」と言ったと思います。
耀司:それで楽になってどんどんと。
慶一:曲も相当そろっていてバンドを集めてさあやろうかというところで何度かまとまって。
耀司:だだっこのようになってた。それで何年かたって
慶一:レコーディングが始まれば早かったです。でもそれまでに耀司さんが書いた曲はほとんど入ってないです。今できたよっていうような曲をどんどん録っていって。耀司さんが弾くギターの手元をみて、コードをとっていって。レコーディングは耀司さんの家の地下室でやったんです。プロデューサーとしてはスタジオを使うと1時間いくらとか考えるんで。

司会:レコーディングに関してエピソードがあったらおねがいします。

慶一:録音中はエンジニアも同じ部屋にいたのでみんな静かにしているのが大変でした。ある時、耀司さんの歌どりの時、ヘッドホンでモニターしているとタンバリンの音がするので調べると耀司さんの飼い犬が首輪を掻いている音だった。
耀司:そんな音がいっぱい入ってきてた。
慶一:わざとそんな音を混ぜて録ったりした。

司会:レコーディングに参加されたスカムライダーズとは?

慶一:ライダーズからは4人参加した。後のみんなも朝地下室にきてごろごろして、さあ始めようかといって録って、終わろうといってからもうだうだやってて。
耀司:なかなか帰れない。
慶一:カスみたいな連中だなと思って。英語で「スカム」とは、「カス」のこと。だから、「スカム・ライダーズ」っていう。
耀司:いい感じだった。それが音に出てる。

司会:その他のエピソードは?

耀司:慶一はよくいびきをかいて寝ていた。
慶一:そう。
耀司:サウンドチェックをしているのかと思ったらすっかり寝ていた。
慶一:で、むくっと起き上がって「あそこもう一度録りなおします。」って。寝てても聞いてるんだ。
耀司:あと、歌詞を8行付け加えろなんて言ってきたり。もうできてるのに。
慶一:色が入った歌詞があるとよくなるなと思って。基本的に耀司さんの頭のなかに歌詞が先にあったんです。歌詞が先にあった。ライダーズでは考えられない。でも最初に曲を作り始めたときはそうだった。頭の中に歌詞があって曲を付けていった。ボブ・ディランもそんな風に作ってた。ロックはそんな風に作られてた。何か懐かしいというか新鮮、というか。

司会:アルバムの聞きどころは。

慶一:私がギターをひきまくっているところです。ライダーズでは、白井という名人がいるのであんまりひかせてもらえないので。
耀司:本気でやってるのがわかってもらえると思います。

司会:ライブについて一言。

慶一:レコーディングとほぼおんなじメンバーなので期待していてください。あと、俺のギターも。
耀司:ライブはなま物なので、皆さんにこちらからパワーを送る変わりに、皆さんにもパワーをもらっていいものにしたいです。

司会:会場から質問を二、三。

観客:慶一さんはもう結婚しないのですか?

慶一:今は予定はないです(笑)。前のときもしないと思ってたから、つぎもないと思っててもどうなるか。

観客:耀司さんは映画監督との交友も深いですが、映画を撮る予定は。

耀司:音楽だけでも大変なのに映像までは。やりたいとは思いますが、いろいろな監督さんと話すと、デザインや音楽とはまったく別のパワーが必要だと感じます。今は音楽とデザインを一生懸命やります。仕事も遊びだから。遊んでどう死ねるかが問題です。
慶一:いい言葉だ。

観客:デザインについて質問を。男物と女物とどちらがデザインをしやすいですか。

耀司;女物です。女物は理想の女性像が頭の中にあるのでそれにあわせてデザインできるので。男物は友達のために作ってるって感じなので飽きます(笑)。

司会:では観客の皆さんに一言づつ。

耀司:デザイナーの道楽音楽だとよく言われますが、それが当たってるかどうかはアルバムとライブで感じてください。次のアルバムは作るのと止めておくのとが半々の状態です。
慶一:また俺がやったほうがいいよって言うんだろうな。まあ、ライブでもギターを弾きまくるので楽しみにしていてください。

6:30 終了

ショーが終わり、整理券を持っている人にはサイン色紙がわたされた。当然握手もOK。
わたしも二人と握手をして感動を胸に帰路につこうとした。が、表にいた女子高生(流行に流されっぱなし風)が、色紙を渡す二人を見て、
「誰だろう。外人みたい。」
といったのを聞いて情けない思いを胸に帰路についてしまった。偉大なアーティストをなんだと思ってるんだ (^^;


Reported by りゅみ (MRWS Special Agent #002, Acid Moon)   

HEM Tour'97

Yohji Yamamoto
with SCUM RIDERS