司会: それではここで、「朝日のない街」を聞いてみましょう。
(ワンコーラス、朝日のない街をみんなで聴く。二人は会場を眺めながら聴いている。)
司会: かっこいいですねー。このライヴの慶一さん、はり叫んでるような。
(はり裂ける、と、叫ぶをいっしょくたにしてしまった表現に)
博文: はり叫んでるよーな・・・・・(笑)
慶一: ライヴでやっただけじゃ、もったいないからね。あと、1曲目は中学の時にバンドやってた時のことを書いた曲だね。
司会: メトロトロン10周年を振り返ってみて、どんなことを思いますか?
慶一: たくさん出してますね。40枚?
博文: 40枚ちょっとくらい。
慶一: これ全部、湾岸Studioで録ったんだよね。
博文: 何度コーヒーを入れた事か・・・・・。
慶一: 好きなんだね。コーヒー。(笑)
司会: 新人発掘の方は?
慶一: いい人がいれば、ぜひやりたいね。でもだいぶ少なくなったね。テープ。さみしいなぁ。
博文: パソコンに流れちゃってんじゃないかな?
慶一: は?
博文: だから、卓録とかね。
慶一: ああ、できあがっちゃったのとか、送ってくる人いるけど、それは聴くのやめてるね。
博文: できちゃったのはだめです。何かひとこと言いたい。
慶一: そう、ヴォーカルだけ、入れてくるとかね。
司会: じゃあ、これからは、デモテープは素朴に、ということで・・・・・。
博文: そう、チャンスですよ。
司会: お二人のソロの予定はどうなってるんですか?
慶一: あなた、ソロは?
博文: ライヴのCDを出すつもりです。
司会: ライヴアルバムですね。1枚くらいにまとめて。
博文: 1枚といわず、4枚くらい。
慶一: そういえば、あのライヴの時。地震直後だったね。なんかしんみりしちゃってねぇ。みんな床に座っててね。
博文: 明日はどうなるかね。
司会: 2年ぶりですね。今回のメンバーの方は、どうなんですか?
慶一: ほぼいつものメンバーでやります。
博文: 今回は、ちゃんとしたコーナーがありますからね。
慶一: ホーンセクションもあって、活きのいい、キンクスみたいな。
司会: そういえば、慶一さんがやってた、ゲームの曲の方は?
慶一: あれは、もう終わってます。で、僕も実際にゲームやってみたら、4時間くらいで終わったんだけどね、あれ、集中力がいるんですよ。後戻りできないからね。エンディングはいろいろあって、どのエンディングになるかはわからないんだけど、あれは、ちょっと泣くとこがあるねー。あれはストーリーがいいんだと思うね。音楽じゃなくて。(笑)画期的なゲームだと思いますよ。
司会: そういうゲームは、初めてなんですか?
慶一: (語気を強めて)世界初。あれはね、みんなでできるんですよ。みんなでモメながらやると楽しいね。みんなでこう、聴きながら、選択になったら「それはこうだろう」とか「女の子を追っかけなくちゃ」とか。
司会: 慶一さんは、初めて、舞台に立たれたんでしたよね。
慶一: 舞台はね、1ヶ月くらい稽古しててね。全然違うところで緊張しちゃうね。台詞とかっていうよりも、出るとこ間違えると、それでもう オシマイでしょ。すんごい怖いの。胃がやられて大変だった。音楽やるのと全然違うんですよ。舞台っていうのは、演出家がえらいの。音楽の方が、 あまいというか、ゆるいというか。 司会: ご両親が見に来られたとお聞きしましたが。
博文: おふくろの笑い声がよく聞こえたらしいね。(ちょっと楽しそうに)
慶一: ちょうど、おふくろの笑い声だけが聞こえてきたんだよ。それで一瞬、素になっちゃったんだよね。台詞忘れちゃった。
司会: でも、慶一さんには、そういう血が流れてらっしゃるでしょう?お父さんはなんておっしゃってたんですか?
慶一: 「お前、俺の領域に踏み込むな。」って。で、終わって次の日からのレコーディング、戻るのに時間かかっちゃってね。
司会: どのくらいかかったんですか?
慶一: 3時間くらいかかって戻った。
博文: えらく短いね。
慶一: 全然手が動かなくてね。ちょっと時間かかりましたよ。
司会: こんど、本を出されるんですか?(博文氏への問)
博文: N.Yスケッチブックみたいな感じのを。
司会: N.Yに行ってこられたんですか?
博文: いえ、違います。例えです。そういった感じの、写真とエッセイっていうような。
慶一: じゃあ幸宏と一緒じゃん。わかりやすいよな、タイトル見ただけで内容が分かっちゃうんだもんな。
博文: 内緒だよ。言っちゃだめだよ。(笑)
司会: それは、いつ頃でますか?
博文: クリスマスプレゼントかな。音楽なら2週間でいけるけどね、文章は時間かかっちゃうから。
司会: 気になる、MRの今年の活動は?
慶一: きびしいね。いやぁ、さまざまなレコード会社と交渉中でねぇ。
(会場どよめく。ついに触れたかその話題に・・といった感じだった、)
でも、今年上期にCD−ROMを出してみて、ロックバンド初だったらしいんだけど、CDじゃなくてもいいかな?と思ってるよ。でも、一つは、何かやりますよ。
司会: またみなさんで集まって。
慶一: でもメンバーとは会ってないんだよ。武川とかしぶちはヨウジのライヴで会ったけど、後の二人は、会ってないねぇー。(しみじみと)正月のミーティング以降、見かけてないね。
司会: それってあぶないんじゃないですか・・・?
慶一: そういうのじゃないけどね。

で、ここで客席からの質問タイム。当初質問は二人までという事だったらしいが、3人の質問に答えてくれた二人。

客: 博文さんは、慶一さんのお芝居は見に行かれたんですか?
慶一: (満面の笑みを浮かべて)いい質問だねー。
博文: 昔、オヤジの芝居見に行った時の嫌な思い出があるから、芝居はダメなんですよ。今まで見に行ったのは、唐十郎くらい。結局、行こうかな、と思いつつも、行かなかった。
慶一: 俺もほんとは芝居はダメなんだよ。だって、オヤジが目の前で死んじゃったりするわけでしょ?ウギャーって。これって、トラウマみたいなもんだね。

(で、この次、ついに一番前で陣取っていた私は、質問決行!)

りゅみ: 演出家としての宮沢さんは、こわかったですか?
慶一: (間髪入れずに)こわくなかったですよ。いつもじっと見てるだけだったし。ま、初日に机はひっくり返してたけどね。向こうの方で、机がガッシャーン!って。みんな舞台の裏に隠れて、「おい、まずいよー。やってるよー。」とか言ってね。でも、わかるね。机ひっくり返したくなる演出家の気持ち。だって、あれだけの人間たばねてるんだから。
(この間慶一さんは、私の方を見ながら話してくれていて、それがサングラス越しだったけど、わかっちゃいました。きゃっ☆)
客:  フライトレコーダーみたいな本は、もう出ないんですか?
慶一: これはね、企画はあります。出版社も決まってるよ。来年くらいに、確実に出ます。
博文: 明日、会場でメトロトロン10周年記念の本が出ます。CD付きの本です。ちょっと高いんですけどね。3000円くらい・・・。
(会場に笑い声。)
慶一: CDが付いてるからね。
司会: 3000円くらい、安いですよね。そのためにみんな日々のおこづかいためてるんですからね。
慶一: 日々のこづかいためて・・・・・。切ないなぁ。
司会: 最後に、もうひとことだけお二人から、お願いします。

慶一: メトロトロンももう10年経ったけど、コンスタントに出して来られたし、これからも出していくと思うんだよね。ぜひ、期待してて下さい。

博文: The SUZUKIはどちらかが死ぬまでやるし、音も出していくと思います。音楽をやりたい人は、ぜひよろしく。

博文: どうも。
慶一: みなさん、どうもありがとう。

と、こんな言葉でしめくくってくれたThe SUZUKIのお二人は、まるで静と動のようで、慶一さんが常に微笑んでいた(ように見えるんだろうか?)のに対し、博文さんは終始クールに、寡黙な雰囲気を漂わせていました。
そして最後は、サイン会。整理券を持った人達に、なんと慶一・博文両氏がその場であのDMのはがきのデザインのポスターに金色のペン でサインを書いてくれて、握手までしてくれるという、幸せなことこの上ない思いをして、The SUZUKI TALK EVENT inタワーレコード心斎橋は幕を閉じました。私は、ほんとうに、幸せ者です!
以上、The SUZUKI TALK EVENT in タワーレコード心斎橋レポートでした。
(執筆時間 4時間30分)


Reported by りゅみ (MRWS Special Agent #002, Acid Moon)