discography
■ムーンライダーズ ディスコグラフィー
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#28SW1007

Oy ZaC

ナーヴ・カッツェ
NAV KATZE

(1987)

Original Release 1987.09.21

Disc Number (LP) 28SW-1007 (CD) 32WD0002

Manufacturer SWITCH

 

SIDE A

  1. 御七夜の夢
     作詞・作曲:飯村直子 編曲:Nav Katze
  2. 夕なぎ
     作詞・作曲:飯村直子・山口美和子 編曲:窪田晴男・Nav Katze
  3. ゆりかご
     作詞・作曲:山口美和子 編曲:Nav Katze
  4. 入浴
     作詞・作曲:飯村直子 編曲:Nav Katze
  5. 愛し合う夜
     作詞・作曲:飯村直子 編曲:Nav Katze

SIDE B

  1. 水のまねき
     作詞・作曲:山口美和子 編曲:Nav Katze
  2. 銀の羽の戦士
     作詞・作曲:飯村直子 編曲:Nav Katze
  3. 螺旋階段
     作詞・作曲:山口美和子 編曲:Nav Katze
  4. 赤い真夏
     作詞・作曲:飯村直子 編曲:Nav Katze
  5. 闇と遊ばないで
     作詞・作曲:山口美和子 編曲:Nav Katze
Produced by Tohru Okada

COMMENT

 

DATA

 

Original Release

●1987.09.21 (LP) 28SW-1007 SWITCH, (CD) 32WD0002 SWITCH

 

Re-issue

●1989.08.21 (CT) 24P60094 "NAV KATZ" SWITCH

●1989.10.21 (CD) 25WD0010 "NAV KATZ" SWITCH

●1991.05.21 (CD) SWCS-00004 "1986-1987" SWITCH

●1989.09.21 (CD) COCD-2003 "Switch Complete 1986-1987" CONSIPIO

 「神経質な猫」というグループ名は、「攻撃的な内向性」というこのグループの特徴をよく現わしていて、言い得て妙です。
ムーンライダーズのファンには、20周年の時にアルバムだけでなく、ライヴにも参加したことで、なじみの人も多いでしょう。ザ・グラジュエイツの後輩でもあります。

  現在はテクノ・ユニットになっていますが、この当時は、女性3人組の、繊細なメロディと音色の、シンプルなギター・バンドでした。でも、見かけの第一印象にだまされちゃいけません。私も、歌詞をじっくり読むまでは、それだけだと思ってたし、それだけでファンだったのです。

 普通のラヴソングは皆無です。救済の歌といえるものもありますが、闇の部分に片足突っ込んでます。夜や闇、それに対するものとしての光という言葉が歌詞の中に多く出てきます。そして、胎児や細胞、虫。圧巻は、「愛し合う夜」の「首から下の骨がない」。しかし、それらの言葉は、たとえば戸川純に歌われる場合などとは違って、過剰な情念などとは無縁の、むしろ情念を排して、淡々としたなかで歌われます。それがかえって、凄みというか。深みを感じさせます。

 歌詞は、ベースの山口美和子とギターの飯村直子が書いています。見た目の印象では、闇寄りの歌詞は山口が多く書いてそうだったのですが、むしろ飯村の方がすごい。あの音でこんな歌詞を歌ってたんだとわかった時は衝撃でした。 私がライヴを見に行くようになって半年ほどして、岡田徹プロデュースでレコーディングというニュースを聞きました。それが、最初の12インチ4曲入り「NAV KATZE」だったわけです。

 ライヴよりも整った演奏に、さすがになっているな、とは思いましたが、それまでライヴでやっていた曲のアレンジを大きく変えることはしていません。ポリスファンだった山口が、レコーディング後に岡田徹からもらったといって喜んでいた、 スティングもライヴで使っていたフット・シンセサイザーの使用などは、プロデューサーのアイデアでしょう。しかし、当時のライヴで必ず演奏されていた「真冬の木霊」が、サエキけんぞうの歌詞がつけられ、タイトルも「パヴィリオン」とされました。これには、彼女たちも完全に納得はしていなかったのでしょうか。リリース直後のライヴでは「パヴィリオン」で演奏してましたが、年が明けた後は「真冬の木霊」でした。

 岡田徹プロデュースで続いて作られたアルバム「OyZaC」からは、その後のビクター時代を通じても唯一のシングル「夕なぎ」もリリースされました。スウィッチは売り出すつもりでいたのでしょうか。

 アルバムを通して感じるのは、触れたら落ちてしまいそうな繊細さではなく、一本芯のある繊細さ。繊細という言葉で済ませられない、その背後の強靭な意志。純度の高い音楽と言ったら良いでしょうか。12インチと比べても、音色に幅があり、厚みも増しています。でも、ナーヴ・カッツェの色は失われず、むしろそれまでに持っていた特徴を生かしたアルバム。岡田徹プロデューサーの面目躍如です。 ファースト・アルバムにして傑作を作ってしまったナーヴ・カッツェは、音の作りは変わっていくものの、ドラムの古舘志乃が抜けて、二人組となってからも、優れたアルバムを作っています。

text: 古澤清人 Kiyohito Furusawa