discography
■ムーンライダーズ ディスコグラフィー
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#MGCD1053

かしぶち哲郎SONGBOOK

MOONRIDERS

(1998)

Original Release 1998.05.02

Disc Number (CD) MGCD-1053

Manufacturer MEDIA RING

 

  1. 砂丘
     作詞・作曲:橿渕哲郎
  2. Beep Beep Beオーライ (Single Version)
     作詞・作曲:橿渕哲郎
  3. ハバロフスクを訪ねて
     作詞・作曲:橿渕哲郎
  4. オールド・レディー
     作詞・作曲:橿渕哲郎
  5. トラベシア
     訳詞:橿渕哲郎 作曲:Milton Nasciment
  6. バック・シート
     作詞・作曲:橿渕哲郎
  7. 狂ったバカンス
     作詞・作曲:橿渕哲郎
  8. スカーレットの誓い
     作詞:橿渕哲郎 "薔薇":佐藤奈々子 作曲:橿渕哲郎
  9. 気球と通信
     作詞・作曲:橿渕哲郎
  10. 二十世紀鋼鉄の男
     作詞:橿渕哲郎 作曲:橿渕哲郎・ムーンライダーズ
  11. S・E・X(個人調査
     作詞・作曲:橿渕哲郎
  12. D/P(ダム・パール)
     作詞:橿渕哲郎 作曲:白井良明・鈴木博文
  13. さなぎ
     作詞・作曲:かしぶち哲郎
  14. Frou Frou
     作詞・作曲:かしぶち哲郎
  15. CLINIKA (Unreleased Vocal Version)
     作詞・作曲:かしぶち哲郎
  16. プラトーの日々
     作詞・作曲:かしぶち哲郎
  17. ガールハント
     作詞・作曲:かしぶち哲郎

Produced by moonriders

COMMENT

ムーンライダーズの20年に渡る膨大な曲の中からかしぶち哲郎作品のみを集めた自薦アンソロジー。
全17曲に「かしぶちワールド」のロマンティシズムが凝縮されている。

DATA

 

Original Release

●1998.05.02 (CD) MGCD-1053 MEDIA RING

 本作品『かしぶち哲郎 SONGBOOK』はムーンライダーズのドラマーかしぶち哲郎がムーンライダーズで手がけた歌ものの作品集である。

 SONGBOOK というタイトルからして本人が歌っているのだろうと思うのは人情。しかし収録曲中、歌っているのは初期の「砂丘」を始め数曲(中でもファンにはこれまで幻扱いされてきた「CLINIKA」のヴォーカル・ヴァージョンが収録されたのは嬉しいことだ)。また最近だと「ガールハント」があるが、これは武川さんとのデュオなので厳密にはこれを1曲としてカウント出来るかは微妙だ。いずれにせよ、22年間に30数曲提供していながら、歌っているのがたった2、3曲。打率で言えば1割前後と言ったところ。野球選手ならとっくに戦力外通告を受けているはずだ。

 なのにかしぶち哲郎はバンド内に、いや、今やムーンライダーズにライバルが無くなった以上、「この国に」と表現するしかなくなったのだが、完全無欠の世界観を確立してしまった感がある。それは洋の東西などではなく第3の極。つまり究極の脱西洋かぶれ&脱東洋贔屓なのではないだろうか。こんな聖域においてかしぶち哲郎はもはや悠々自適なのだ。

 つまり本SONGBOOKは、かしぶち哲郎作品集なのは当然のことながら、むしろ言葉は悪いが、「鈴木慶一によるかしぶち哲郎の利用法」が一目瞭然、いや一聴瞭然に判明するリトマス試験紙のようなものなのである。ムーンライダーズサウンドに「艶」を添えるかしぶち楽曲を巧みに操る鈴木慶一のプロデュースワークと、上手く操られる策士かしぶち哲郎との絶妙なコンビネーションが待った無しに展開されている。この辺りをさらに実感して頂く為には是非とも本作品と同時発売されるムーンライダーズアンソロジーをお聴き願いたい。

  最後にひとつ宣伝をさせて頂く。薔薇の騎士かしぶち哲郎の後援会「樫の会」が昨年97年に発足。そのホームページもオープンしているので、かしぶち哲郎のことが気になる諸氏は下記へお運びのほど。不定期ながら究極のフリーペーパーTRANSLAB(かしぶち新聞)を発行、創刊号ではあの『フライトレコーダー』以来と言われるかしぶち氏へのロングインタビューがあり、ファンならずとも一見の価値ありかと。

樫の会URL
http://www.alles.or.jp/~ganchan/TK.html

 ということで『かしぶち哲郎 SONGBOOK』を今度はランダム・モードで聴くことにしようか。

                  岩澤薫「樫の会専務理事/かしぶち哲郎研究家