あとは、スッゴイむかしのこと。
いまみてて、おかしかったのは、「目黒区民会館事件」っていうのがあって、 伝説化されてるんだよ。そのNIFTYの会議室の中で。噂にはきいているらしく てさ。
コンサートの途中で時間がきたんで、全部電気つけられちゃって、逆に今 度はステージの電源を落とされて、それで、頭にきてやめちゃったんだよ。 という変な話題があって、「なんでそんなことしってんの」(笑)

あと、「○○のコンサートにきてました」、とか。「後ろにいました」とか。 そういう意味では、浅くも深くも、みてるわけだしさ。
そういうやりとりしているのを本人が見ていると、たぶんね、こっちが忘れて るようなことが、資料として残るわけじゃない。だから。便利だよね。

例えば、何年の何月に演奏した時の、この曲の構成はこうだった、とかいうよ うなことがかいてあるんだ。それをそのままやるときに、それを見ればいい。 本人たちは忘れるからさ。
また、こういうことは忘れないと次のことが出来な いんですよ。忘れてしまうからこそ次のことが出来るんだけど、つくり手じゃ ない人、聞き手は覚えてたりするでしょ?
それは、助かるよね。マニアックな人がいるだけで。(笑)


あるホームパーティーの中にかつて、「ステージにあげられて、一緒に マスカット・ココナッツ・バナナ・メロンを歌ったことがある」なんて話し も出てましたが…。

そういうことって非常に象徴的だよね。私たちは覚えてないよね。
いま顔を見てもわかんないだろうし。そういうことは年中やってたからね。 で、そういうことをやってたことすら、記憶が薄れてしまってるからさ。

ファンのかたの中には、かつてファン同志で何人か集まって小冊子を作って いた人もいるようです。ここしばらくのあいだはやってなかったようなんで すけど、NIFTYをきっかけに再開したようです。 これまでは、そういったファン同志の横のつながっりって、なかなか出 来にくいところがあったように思いますが。

ファンクラブもね、公式には無かった訳だし。ついに出来たけど。
ちっちゃいところの横のつながりとか、たぶんあって、もしくは高校のあるク ラスだったら、ひとりだけ浮いてる人がいて、その浮いてる人がムーンライダ ーズを好きなんだけど、他の人に言っても誰もしらない、とかさ(笑)、そう いうことが多かったじゃない。

このネットワークを使うことによって、(ファンが)あんだけ、いるわけだからさ、 なかにはヤケに詳しい人もたくさんいる。

ファンレターっていうのはそんなに滅多に来ない。まあ、来るきっかけになる のはコンサートだよね。その他の時は滅多に来ない。そういうときは、こっち 側としてはリスナーの声が聞けないわけで、非常に、不安だよね。

その不安がなんか、即時性を持ったやりとりをしているという点で、ネットワ ークは、いいんじゃないかな。
あと、こっち側、作るほうとしても、「こういう風にしたらいいんじゃない か」なんていう意見まで載ってるじゃない。まあ、お節介にも(笑)。 それが結構おもしろいからね。


そういうのが刺激になって、取り入れてみようとか?

そう、そういうのもあるし、きいてる人が何を考えているのかっていうのも、 解るわけでしょ。それって、かつてはほとんどなかったことだよね。
要するにこれまでは「買う」っていうことだけだったじゃない? 売り上げでしか聞き手の反応がわからないという。

それこそ、そういう表現手段を持っている人、例えば手紙とかね、 手紙ということになると、最近はよっぽどのことがないとかかないからさ。

それこそ、小冊子とか私設ファンクラブみたいなものが出来ては消え出来ては 消え。でも時間のタイムラグのなさっていったらさ、ネットワークは一番だよ ね。すぐみてもらっといてさ、コンサートとか。
「このコンサートは○○だった」っていうのが次の日にばーっとながれちゃう 訳じゃない。それが一般の聞き手の中でながれる。そこがおもしろいところで すよ。

だから作るほうの意識もさ、変わるよね。
要するになんにもそのことを知らないで次の作品を作るより、早めに知ってし まうわけだよ。きいた人がどう思ったか。
という風なこととか、あと、マーケットをリサーチする意味でさ。非常に有効 だよね。どんな人がきいているのかっていうのがさ。昔よりははるかによく解 るし。